
敵意帰属バイアスは、発達障害や精神疾患の人や普通の人でも弱っているときになりやすい傾向があります。
敵意帰属バイアス
敵意帰属バイアスとは、何でしょうか?
敵意とは、敵対しようとする心。相手を敵として憎む気持ちのことを言います。
帰属とは、特定の組織体などに所属し従うことを言います。
バイアスとは、偏りのことで考え方や意見に偏りが生じていることを言います。
つまり、敵意帰属バイアス(Hostile attribution bias)とは、相手の言動が好意的ではなく敵対的によるものだと認識してしまう偏った思い込みがあることを言います。
どういうことでしょうか。たとえば、敵意帰属バイアスを持っている人は、二人がひそひそ話をしているのを目撃すると、自分について否定的なことを言っていると思い込む傾向があります。
また、敵意帰属性バイアスを持っていると攻撃的な行動をとる可能性も高いです。
敵意帰属バイアスのある親の子どもは攻撃的になる傾向があり、仲間に拒絶される子供の約半分は攻撃的な子供であることが多いとされています。
アンチの人は、特定の個人や企業、団体、製品などを攻撃しますが、これも敵意帰属バイアスの一種でしょう。
敵意帰属バイアスになりやすい人の特徴
- 自分に自信がない人
- 自己受容ができていない人
- 自己肯定感の低い人
- 自尊心を持っていない人
- 幸せを感じていない人
自分に自信がない人
自分に自信がないとどうしても人と比べてしまいます。自分に自信があると他人を比べたりしまんせん。比べなくても自分が上なのはわかりきっているからです。だから、同じくらいのレベルか相手が上だと感じていると少しでも上に立ちたいを思い、敵対的に受け取って攻撃してしまいます。
自己受容ができていない人
自己受容とは、ありのままの自分を受け入れることです。 自分の良いところも悪いところも隠したり誤魔化したりせず、そのまま受け入れます。これができていない人は、人から認めてもらわなければならないのです。つまり、他人からの承認が必要なのですね。承認欲求が強い人のことです。
自己肯定感の低い人
自己肯定感とは、そのままの自分を認め受け入れ、自分を尊重し、自己価値を感じて自らの全存在を肯定することです。何ができるか、何を持っているか、人と比べて優れているかどうかで自分を評価するのではなく、そのままの自分を認める感覚であり、「自分は大切な存在だ」「自分はかけがえのない存在」だと思える心の状態です。これが低いと、自分を尊重できないので、他者や周りも尊重できません。
自尊心を持っていない人
自尊心とは、自分で自分のことを誇らしく思う心を意味し、自分を高く評価するということです。自己肯定感と似ていますが、自己肯定感は、自分で自分を評価することで自分を大切だと思える心の動きであるのに対し、自尊心とは自己肯定感と他人に評価されて自分を大切に思える感情である自己有用感が合わさって生まれます。すなわち、自己肯定感の先に自尊心を抱ける仕組みです。自尊心を持っていないと自己肯定感を低い人と同じで、他者や周りを尊重できないでしょう。
幸せを感じていない人
幸せを感じていないということは、自分を不幸と思っているわけです。自分が幸せなら、周りに幸せを分け与えることができますが、自分が不幸なのに周りに幸せを与えることはできません。
自分がお腹いっぱいに食べられないのに、自分を置いておいて他人に食べ物を与えることはなかなかできません。
敵意帰属バイアスに自分がなっていないか確認する方法
- 自分の周りに自分をないがしろにする人が3人以上いるとレッドゾーン
- 私のことをわかってくれない、認めてくれない、愛してくれない人が周りに3人以上にいるとレッドゾーン
- 2人まではOK
- 理想は0人
改善方法
- 敵意帰属バイアスになっていることに気づく
- 考えていることを紙に書き出す
- 客観視する
敵意帰属バイアスになっていることに気づく
自分の顔にソースがついていることは、人から見たらわかりますが自分ではわからないですよね。鏡を見たらわかります。つまり、気づかなければ、拭きようがないのです。それには、敵だと思う人が3人以内かを確認してください。3人以上いたら、自分は敵意帰属バイアスにかかっているなと認識することが大切です。
考えていることを紙に書き出す
考えていることをそのまま紙に書き出してください。「あの人は本当にムカつく。何で私のことを悪く言うのだろうか。そんなに悪口を言って楽しいの?…」
客観視する
数日経って、冷静になってから自分の書いた紙を第三者として、読みます。思い込みがないか厳しい目でみます。「なんでこの人はムカついているんだろう。どういう思い込みがあるんだろう?なぜ、悪く言われていると捉えているのだろう?なんぜ、悪口だと決めつけているのだろう?この人、思い込みが激しくない?…」みたいな感じです。
周りに敵意帰属バイアスの人がいたときの対処法
- 離れる
- 相手にしない
- 同じ土俵に立たない
- あいまいにする
離れる
離れられるのなら、これが一番良いです。相手に何を言っても上げ足を取られてしまいます。
相手にしない
ほっておきましょう。語らないことが大切です。敵意帰属バイアスにかかっているから、何を言っても無駄だと認識しましょう。
同じ土俵に立たない
同じ土俵に立つと、違うよと言いたくなります。相手に何かを言われたら「そうだね」と肯定する振りをしてあげましょう。
あいまいにする
自分はAであると確信していても、「Aでもあるし、Bの部分もある」と言いましょう。Aだというと、「いや、Bもあるよ」と言われますし、Bだというと、「でも、Aかもしれないよ」と常に逆を言われてしまいます。「AでもBでもある」と言っておくと、言われることは少なくなります。相手が「絶対にBだ」と言ってきたら、議論せずに「そうだね」と言ってあげましょう。
Q&A
Q.相手が敵意帰属バイアスである場合こっちも相手に敵意を持ってしまうのか?
A.確かにそういう傾向はある。相手に嫌われれているとそれはあてに伝わるが、人による。観念が少なくて、中道に入っている人は敵意は持たない。
Q.笑顔を送ってくる人には敵意帰属バイアスは発生しにくいのではないですか?
A.確かにそういう傾向はある。ただ、自己受容があまりにも低い人には馬鹿にしてるんじゃないかと言われる場合がある。